
今回はXbox Game Passで「レッドデッドリデンプション2」をエピローグまでクリアした。レビューなんて色んな人が出してるので今更書くのもどうかと思うが、久々にどちゃくそ感動したゲームなのでガッツリレビューを書きたい。
目次
ギャング生活はクソゲー

まず結論から言うと、おススメ度は5点満点中「5点」となった。
でもちょっと待って欲しい。5点満点だからと言ってこのレッドデッドリデンプション2というゲームは完璧なものではない。正直このゲーム何も意識しないままプレイすれば欠点の方が目立つ。批判的な意見も、クソゲーと言う気持ちもめっちゃわかる。俺もこのゲームをクリアして未だに「ギャング生活はクソゲー」と大きい声で言える。
レッドデッドリデンプション2はGTAVよりも自由度は低いし、そもそもゲーム内の縛りは多いし、核となるメインクエストもやらされている感が強いし、「ダッチギャング」についての説明もロクにないのでプレイヤーは置いてけぼりだし、移動時間長いし、操作がとっつきにくいし。思えば僕は序盤中盤とクオリティに関心こそしていたが、ゲームとしてはほとんど楽しんでいなかったし、実際クソゲーだと思った。これは本当だ。しかもそんなゲームにどういうわけかおススメ度満点の「5点」を付けている。
なぜこんな評価になったのかをこれからレッドデッドリデンプション2というゲーム内容を追って説明したいと思う。
レッドデッドリデンプション2 公式あらすじ

1899年、アメリカ。開拓時代が終わり、法執行官は無法者のギャングを一掃し始めた。 西部の町ブラックウォーターで大掛かりな強盗に失敗した後、アーサー・モーガンとダッチギャングは逃亡を余儀なくされる。連邦捜査官と国中の賞金稼ぎに追われる中、ギャングたちが生き延びるためにはアメリカの荒れた土地で強奪、暴力、盗みを働くしかなかった。抗争に関わるほど、ギャングはバラバラにされる危機に見舞われる。アーサーは、自らの理想と自分を育ててくれたギャングへの忠誠、そのどちらかの選択を迫られる
レッドデッドリデンプション2のシステム
レッドデッドリデンプション2は前作レッドデッドリデンプションから「指名手配」と「デッドアイ」「名誉と名声」に加えて「基本ステータス」というものが追加されている。
指名手配

「指名手配」はカッコよく言うなら悪因悪果システム。
ちなみに悪因悪果とは "悪い行いをすれば悪い結果が生まれる" という意味。
「法執行官に犯罪を見られる」もしくは「民間人に犯罪を見られて、通報される」ことで指名手配される。懸賞金額や指名手配される場所に応じて「連邦保安官(要するに強いNPC)」が出動することもある。指名手配は懸賞金を払うか、もしくは所持金が¥0になるが、降伏することで簡単に解除する事ができる。指名手配は州ごとに設定されるため、その場から逃げ切れば指名手配の解除はされないが、その場を凌ぐことはできるし、その州に入らなければ法執行官はおいかけてこない。特に語ることはないロックスターゲームズを象徴するようなシステム。
名誉と名声

「名誉と名声」はカッコよく言うと信頼残高システム。
前作RDRから引き続き導入されていて、簡単に説明すると「挨拶」や「人助け」などの世間的に良いことをすれば「善人」として、「民間人を殺す」や「モノを盗む」などの悪いことをすれば「悪人」として評価されるシステム。この評価システムは悪人になるのは簡単だが、善人にはなりにくく非常に取り返しづらいという特徴がある。
"信頼を失うのは一瞬、取り戻すのは一生。" という人間の集団心理をシンプルながら上手くシステムに落とし込んでいる。
デッドアイ

Rアナログスティックを押し込んで発動。発動中は時間がゆったり進む。TPSに慣れていない人も安心してエイムできる。
基本ステータス

このゲームには基本ステータスというものがある。簡単に言えば最近のバトロワでよくあるアーマーみたいなもの。
普段消費するゲージとは別に用意されているステータスで、例えばダメージを受けると減る「ライフ」とは別で用意されている「基本ライフ」があり時間経過か、もしくダメージを受けて「ライフ」がなくなるとライフのかわりに消耗する。他にも「スタミナ」「デッドアイ」とそれぞれ独立して用意されている。なくなるとゲームオーバー。またこの基本ステータスのゲージの残量が多ければ多いほど自動回復してくれる。
レッドデッドリデンプション2 のゲーム進行
ストーリー(メインクエスト)

レッドデッドリデンプション2のメインクエストが本作のストーリーにあたる。ここではダッチギャングとアーサー自身に関わる話がチャプター形式で進んでいく。最初はギャグが多かったりするが、後半に進むにつれてストーリーが重くなっていき、あることがきっかけでアーサーの行動に変化が訪れる。

他のゲームと大きく違うのはクエストごとのアクティビティの数が尋常ではない。普通のゲームならムービーシーンになるようなことでもほとんど徹頭徹尾プレイヤーにやらせる。例えば、列車強盗のために仲間と線路にダイナマイトの設置をするシーンがある。普通のゲームならばムービーでパパっと終わらせるようなシーンなのだが、ダイナマイトの設置からそれに銅線を伸ばして遠くにスイッチを設置すまで全てをプレイヤーの操作で進めるようになっている。このアクティビティが様々なメインクエストやサブクエストに散りばめられているのもレッドデッドリデンプション2の大きな特徴になっている。
サブクエスト

RDR2のサブクエストは二通りある。
1つ目は特定のNPCに話しかけたりアクションを起こすことで始まるもの。サブクエストとはいうものの続きものも多い。ある程度のストーリーとアクティビティを持っていたり、賞金首を捕まえに行ったり、「収集アイテム」や「狩り」などのやり込み要素を助長してくれるものと様々。クエストを受ける場所がマップに示されているものと、近づくまであるかどうかわからないものがある。
2つ目は道を適当に歩いていると遭遇するランダムイベント。例えば「街中で肩が当たったやつにスリをされる」だったり「困っている人が助けを呼んで居る」などなど。今紹介した以外にもランダムイベントは数え切れないほどの色々なパターンがある。ランダムイベントがどんな内容なのかは出会ってからのお楽しみ。
レッドデッドリデンプション2のやり込み要素

レッドデッドリデンプション2のやり込み要素もかなり膨大で、紹介しきるとキリがないしゲーム中でも細かく語ってくれるので本編をプレイしてからのお楽しみにしてほしい。いや決して紹介が面倒な訳ではないぞ。
中にはゲーム内で全く言及されない「イースターエッグ」なるものもたくさんある。ちなみにイースターエッグとはゲームでいうところの「隠し要素」のことで、ゲームメディアがカッコつけてよく使っているので僕も真似してみた。
ミニゲーム(プレイスポット)

キャンプや各所にプレイスポットが存在する。プレイスポットでは掛金を払って「ブラックジャック」「ポーカー」「フィンガーフィレット」「ドミノ」が遊べる。各所で遊べるミニゲームの内容が異なっており、ドミノはかなりルールが豊富で覚えるのが難しいかもしれないが、わからなくてもチュートリアルでガッツリ教えてくれるし、そこまでの額は賭けないので適当に遊んでも大丈夫。多分。
レッドデッドリデンプション2の悪いところ
操作がとっつきにくい

レッドデッドリデンプション2では人や動物、モノに対して、様々なアクションを起こすことができる。例えばこの画像は「近接した自分の馬に対して」アクションを起こそうとしている場面だ。
取れるアクションはこれだけじゃなく、状況に応じて「待て」や「ついて来い」、「柵につなぐ」こともできる。
人に対しても「挨拶をする」こともできるし、逆に「対峙する」こともできるし、銃を構えていつでも「脅す」ことができたりもする。これだけインタラクトの幅が広いゲームは多分今も昔も「レッドデッドリデンプション2」のみだと思うが、しかしながらその多い選択肢には弊害がある。
例えば、人にインタラクトする場合は「LT(L2)ボタン」で相手をターゲットにしなければいけないが、この時銃を持っていると銃を構えて相手を脅すことになり、挨拶するつもりが相手に銃を突きつけるとんでもないサイコパス野郎になってしまう。画像のように相手をターゲットすれば右下に説明は入るのだが、思ったようにパッと操作するには少し慣れが必要かもしれない。
移動時間が長い

レッドデッドリデンプション2の移動手段は徒歩と馬以外にも「ファストトラベル」「列車」「駅馬車」があるが、あまり機能的ではなかったり、そもそもメインクエストやサブクエストは馬での移動を強制させることが多い。更に馬での移動中に今回のクエストやシナリオに関する話が他のキャラクターと進行するためか馬で出せる速さが限られているため、そのせいでクエストのほとんどが馬での移動時間なんてこともある。
片手間にプレイすることもできるが、全編英語で字幕を見なければ会話内容の意味はわからないし。誰かが同行している場合はそのキャラクターに話の節目でインタラクトできる時が多々ある。シナリオを聞き逃したくない人は移動中も気が抜けないことが多い。僕はレッドデッドリデンプション2の緑や川のディテールがマジで大好きだったので移動中も存分に楽しめたが、正直パッと見はあまり見栄えも変わらないので移動中は暇な人が多いと思う。
レッドデッドリデンプション2の良いところ
ぬかるみの足跡でわかるディテール

この地面の足跡を見て欲しい。僕は最初にこのぬかるみを見ていたら、いつの間にか30分ぐらい経っていた。
「馬」「馬車」の通った跡はもちろん、人の中でも履いている靴底の形によって足跡の形をこのぬかるみはちゃんと反映している。細部に神は宿るというが、ぬかるみにつく足跡までこだわっているゲームは今でもない。
もちろん他のディテールも素晴らしい。手に持てるものはズームしたり角度を変えて細かく観察することができるが、そのどれもが細部まで細かく作り込まれている。さらに言えば太陽に照らされたアーサーの耳は赤く透けてみえたり、馬のキンタマが気温によって大きくなったり小さくなったりする。
レッドデッドリデンプション2は徹底的にリアルなゲームだが、「機能のないディテール」に対しても尋常じゃないほどのこだわりがあり、ある種の芸術性を感じさせる。
「社会に属することの難しさ」がわかるゲーム性

レッドデッドリデンプション2のストーリーは結論から言うと「社会に属することの難しさ」をテーマとしてあり「過去の道のりがどれだけ間違っていても、今からでも自分のやりたい事をすることの大切さ」を教えてくれる。これを聞いて「クッサイなぁ…」と思われるかもしれないが、それでもこのゲームで感じ取れたことを正直に話したいと思う。
まず「レッドデッドリデンプション2」のストーリーは前作レッドデッドリデンプションの前日譚にあたる。なので予備知識なしでもシナリオ的には馴染みやすい…と言いたいところだが、前もって知識を持っていないとチャプター1のオープニングから話がまったく掴めない。
このゲームのオープニングは話の途中で始まり、もともとキャラクター達の関係性がすでにガッツリ形成されているので他のキャラクターたちの性格や状況を把握できないままストーリーが進行してしまうので置いてけぼりを食らう羽目になる。でもレッドデッドリデンプション2は多分あえてそうしたスタンスをとっている。
それはなぜかというと「本来、社会やコミュニティはあなたのために存在しない」という事実を描いているからだ。この場面以外でも「社会に属することの難しさ」を示唆しているシーンはたくさん見受けられる。
冒頭をプレイすればわかると思うが、レッドデッドリデンプション2では現実世界にある事象をあらゆる角度から描いている。
「圧倒的なディテール」「現実世界を忠実に再現した物質の挙動」「人間の心理描写やバイアス」「様々なポリコレ要素」と "現実にあったこと"そして "現実としてあること" を徹底的に表現していて、そして「コミュニティに属する瞬間」でさえも描いている。
例えば仕事の話をしよう。こんなところで仕事のことはあんまり思い出したくないけどほかに良い例え話が思いつかなかった。
会社に新入したあなたの気を使って喋りかけてくれたりする上司や先輩はたくさん居るだろう。しかしながらちょっとだけ壁を感じることはないだろうか?それは先輩や上司があなたのことが「好きだ」とか「嫌いだ」とか言う問題じゃなく、その上司と先輩の間ではもうすでに無意識のコミュニティが出来上がってしまっているからだ。そのコミュニティに自分も入るには、自らアクションを起こさなければいけないし打ち解けるにも時間もかかる。
ちょっと仕事の話ばかりしてると「めまい」がしてくるのでゲームの話に戻ります。
それでレッドデッドリデンプション2にもそれは当てはまる。もうすでに形成されているギャング仲間の関係を理解するためにはキャンプに居る仲間たちに積極的に話しかけなければいけないし、選択肢も自ら選んでいかなければいけない。
「名誉と名声」のレベルを上げたければ、街や外れに居る人たちに「LT(L2)ボタン」でターゲットして「X(▢)ボタン」で挨拶まわりしなくちゃならないし、ランダムイベントで困った人が居れば助けなくちゃいけない。それを続けても名誉と名声のレベルは地道にしか上がらない。(ちなみに釣った魚を元の水に返すのが一番効率的らしい。なんでやねん。)
そういった社会に属する人であれば誰しもが苦労して通るであろう道のりをレッドデッドリデンプション2ではオープニングに限らず、いたるところで描いている。
「自分のやりたい事をする」大切さがわかるシナリオ

ストーリーを追うにはメインクエストをしなければならない。このメインクエストは嫌な仕事も多いし、やりたくないこともたくさんやらせる。ギャング団の長であるダッチの指示で嫌いなやつを助けなければいけない場面も多々ある。その嫌なことをしているにも関わらず、アーサーは不当な扱いを受け続けて話を進めていると割とストレスがたまるかもしれない。
でも実はアーサー自身も嫌がっていたり、何が正しいのかわからなくて迷っていたりする。キャンプの中でプレイヤーはダッチギャングの仲間に自由に話しかけることができる。嫌味な奴も多いが、アーサーに寄り添ってくれるキャラクターもたくさんいて、そういう人にはアーサーも心を明け透けにする。アーサー自身は「本当にこの行動が正しかったのか?」「自分は何をすれば良いのか?」と悩んでいることがギャング団の仲間と話しているうちにわかってくるはずだ。
アーサーは迷いがあるまま、とりあえずある程度正しいだろうと思うダッチについていく。どこか間違っていると疑問点を持ちながら、やはり自分で自分の行動を決めなければやりたいことはできないしその結果にも納得できない。
そのままズルズルと進み続けていくが、あるきっかけでアーサーの行動に大きな変化が訪れる。
その変化は割と最後の方で、その間の悪逆非道は拭っても拭いきれない。ダッチの指示であれ、ギャングのためであれ、悪いことは悪いことでありその結果ギャングの仲間たちを苦しめていくことになる。しかしアーサーはそれをある形で昇華しているのである。「過去の道のりがどれだけ間違っていても、今からでも自分のやりたい事をすることの大切さ」を体現し、身をもって教えてくれる。
振り返ってみるとレッドデッドリデンプション2のシナリオ自体にロジカルな部分はほとんどない。
「へーそうだったんだ!」みたいに思うことはあんまりないだろう。しかし社会に属すれば誰しもが抱える悩みをアーサーも抱え込んでいて、そこで生まれる共感が他のゲームにない魅力につながっている。
レッドデッドリデンプション2のおススメ度
レッドデッドリデンプション2の良いところ
- 「社会に属することの難しさ」がわかるゲーム性
- 「自分のやりたい事をする」大切さがわかるシナリオ
- ぬかるみの足跡でわかるディテール
レッドデッドリデンプション2の悪いところ
- とっつきにくい操作性
- 移動時間が長い
- 細かいところのローカライズ不足
繰り返しになるけどこの5点というのはかなり主観的な評価だ。
このゲームは序盤、プレイヤーを意図的に様々な壁を感じさせて寄せ付けないようにしている。しかしゲーム内で行動する度に「社会に属することの難しさ」と「過去の道のりがどれだけ間違えていても、自分のやりたい事をする」大切さを教えてくれる。ちょっと説教くさくなったけど要するに「ギャング生活はクソゲーなんだよ」と教えてくれる良い作品だった。まる。

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