
「コスパ」…それは世に巣食う平均的なガジェットオタク、すべての人たちを魅了するワードである。コストパフォーマンスの略で具体的な意味は費用(コスト)に対して、その効果(パフォーマンス)使われる言葉で、コスパが高いということは「値段に対しての実際の効果や性能が高い」という意味がある。
しかし時にその言葉は時に残酷で、アマゾンのレビュー欄に「コスパ悪い」つまり「コストに対して性能が見合ってなくて草。買う価値なし」と書かれれば、総じてクソ扱いされてしまう。ここにもまたスペックと価格を他社製品と比較することによって「コスパが悪い」というレッテルを貼られてしまいかねないゲーム機が存在する。それが「ニンテンドースイッチ」である。

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目次
ニンテンドースイッチの "コスパ" のお話
これは決してニンテンドースイッチを批判するために作られた記事ではない。忖度なしで他者のゲームハードと比較してみた結果だ。僕自身もプレイ時間で言えばニンテンドースイッチが一番遊んでいるコンシューマーゲーム機だと言えるし、個人的にはNintendoSwitchはマジでおススメできる理由がある。それはまた後述したい。
だがしかし数値とは残酷なものだ…ニンテンドースイッチはどうしてコスパが悪いのか?という結果、それに対する僕の結論を見て欲しい。
ニンテンドースイッチと他社ゲーム機の比較表
ニンテンドースイッチ | PS4 Slim | Xbox One S | |
希望小売価格(税込) | 32,978円 | 32,978円 | 32,978円 |
解像度 | 1920 x 1080 (携帯時 1280 x 720) |
1920 x 1080 |
1920 x 1080 |
SoC | NVIDIA Tegra X1 (カスタマイズ版) |
AMD製カスタムAPU |
AMD製カスタムAPU |
CPU性能 | 1.0GHz | 1.6GHz | 1.75GHz |
GPU性能 | 0.50TFLOPS (ドッグ挿入時) |
1.84TFLOPS | 1.40TFLOPS |
メモリ性能(規格) 帯域 |
4GB (LPDDR4) 25.6GB/s |
8GB (GDDR5 + DDR3) 176GB/s |
8GB (DDR3 + ESRAM) 68.3GB/s+α |
ストレージの規格/容量 | eMMC / 32GB(換装可能) | HDD / 500GB or 1TB(換装可能) | HDD / 1TB(換装可能) |
ニンテンドースイッチを買うときに悩んでGoogle検索したらこんな風な比較記事を見たことがあると思う。これが残酷なテーゼというもの…
良くわからん単語が並びまくっているが、とりあえずゲームの性能で一番重要になってくるものにだけ黄色のマーカーを引いた。後はおまけだと考えてくれ。
特にメモリまわりは本当にややこしくて、例えば
- 「PS4にはGDDR5が搭載されている…強すぎる!どうあがいても無理だ!」
- 「…いや…まて!あったぞ!Xbox One S にはESRAMというメインメモリの遅さを補ってくれるものがッ!!これでGDDR5を搭載したPS4を倒せるかもしれないぞ!!!」
みたいな中二病を患ったラノベの主人公みたいなやり取りになってしまうんで正直めんどくさい。
とりあえずゲームの性能には
- GPU性能
- メモリ性能
- ストレージ規格
が重要だと理解していればOK。ではひとつひとつ解説したいと思う。
まずは価格から。
ニンテンドースイッチの価格
ニンテンドースイッチ | PS4 Slim | Xbox One S | |
希望小売価格(税込) | 32,978円 | 32,978円 | 32,978円 |
価格は皆同着ですね。
ただXbox One Sには All Digital Edition っていう光学ドライブを排除して希望小売価格を27,478円まで抑えたコンソールもあり、それと比べると5000円近く安くなっている。ただまあ光学ドライブ廃止することで中古ソフトがプレイできなくなるので、コスパの面というと土俵が少しちがうかな~?と思って比較対象には入れてない。めんどくさい訳ではない。
ニンテンドースイッチのGPU性能
飛んでGPU性能を比較。
GPUは「映像描写を定型的かつ膨大な計算処理を行うことを念頭におかれたプロセッサ」。
もう何言ってるかわからんと思うが、僕も何を言っているのかわからん。
要するに値が大きければ大きいほど処理能力が高くゲームの品質が向上しやすいってことでOK?
ニンテンドースイッチ | PS4 Slim | Xbox One S | |
GPU性能 |
0.50TFLOPS |
1.84TFLOPS | 1.40TFLOPS |
見ての通りだけど他のゲーム機と比べて、Nintendo Switch はどう考えてもGPU性能がめちゃくちゃ低い。
ニンテンドースイッチとPS4同じ処理をすれば3.7倍の差がつく。単純計算だけど。
ここで実機のゲームプレイ映像も参考にしてみましょう。
ElAnalistaDeBitsさんから最近リマスターされた「ウィッチャー3ワイルドハント」の Nintendo Switch と PS4 の比較動画をお借りしてみた。ともにフレームレートは30fpsですが Nintendo Switch版は可変解像度でグラフィックのクオリティをガッツリ落としているのが良くわかると思う。
夜のムービーシーンはそこまで気にならないかもしれないが、特にプレイ画面になると全体的に若干モヤがかかったように見えるし、影のディテールは完全に崩壊している。
ニンテンドースイッチのメモリ性能
次いでメモリ性能。GPUとメモリは蜜月の関係にあたる。
実はGPU性能よりも重要だったりするという話があるが、メモリの主な仕事は「タスクの保留」で
耳タコな例えだけど「机の大きさ」と同じです。「机の上おっきかったらもの置く場所が増えて作業楽だよね?」っていう、あれ。
ニンテンドースイッチ | PS4 Slim | Xbox One S | |
メモリ性能(規格) 帯域 |
4GB (LPDDR4) 25.6GB/s |
8GB (GDDR5 + DDR3) 176GB/s |
8GB (DDR3 + ESRAM) 68.3GB/s+α |
メモリは容量も重要だけど、実は転送速度もめっちゃ重要になってくる。
机の例えでいうとこの帯域は「机の上のものを手に取る速さ」だ。
まあ要するに大きければ大きいほど一度にたくさんのデータを送受信できるという事だ。
数字的に Xbox One S と近い気がするが、Xbox One S には前述した「ESRAM」の存在があるため、メモリ帯域はPS4よりも高いと言われている。…らしい。
ここでも置いてけぼりなNintendo Switch だが、実は開発当初はメモリ容量はもっと低い3GBだったらしい。カプコンがお願いしてメモリの容量を上げてもらったという嘘か本当かよくわからない話があるが、でもGPUの性能的には十分あり得そうだったと思う。
多分このおかげで品質の上がったゲームがいくらかある。例えば筆者もたびたび紹介しているゼノブレイド2。ニンテンドースイッチの紹介トレイラー初期はポリゴンや影のディテールのレベルが低く、キャラクターの造形がかなり平べったい感じがしていた。
でも製品版はディテールアップや細かい部分のぼかしなどのエフェクトがかなり効いている。

これはゼノブレイドクロスを手掛けたモノリスソフトの技術力からすると、ゲームソフト自体の出来というよりはNintendo Switchのメモリ増量によるところが大きいと思うと個人的に勝手に思っている。
ニンテンドースイッチのストレージの規格(容量)
ゲームソフトのデータを保管しているのが主な仕事の「ストレージ」はグラフィックス性能などに直接は影響してこない。
でも規格によって「全体的なロード時間の短縮」が見込めたり、容量が大きければそれだけゲームソフトやデータ類を保存しておけるのでゲームを快適にプレイするなら重要な要素になってくる。
希望小売価格(税込) | 32,978円 | 32,978円 | 32,978円 |
ストレージの規格/容量 | eMMC / 32GB (microSD換装可能) |
HDD / 500GB or 1TB(換装可能) | HDD / 1TB(換装可能) |
Nintendo Switch の「eMMC」という規格はあまり耳にしたことがないと思うけど、実はほとんどのスマートフォンが採用しているストレージで普及率はかなり高い。
転送速度はSSDには劣るものの、HDDよりかなり早くて優秀。おかげでゼルダの伝説ブレスオブザワイルドのファストトラベルもあれだけ早くなったんだな~といった感じ。
これだけ見ると他のゲーム機はHDDを採用していることから優秀になる点…かと思いきや容量がカツカツです。
ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドをダウンロードでプレイすると最低13.4GB必要になるので、本体ストレージの1/3以上埋めてしまうことになります。さらに本体のアップデートで余計に圧迫してしまうためソフトはどう見積もっても2本ぐらいが限界になってきます。
「ウィッチャー3」はなんと32GB…もちろん入りません。本体ストレージだけじゃ無理じゃん…どういうことなの…?
- microSDカードについて
その代わりといってはなんだが、Nintendo Switch にはmicroSDメモリーカードを換装できるようになっている。
SDは実はSSDやHDDよりお高くなったり、実際の性能もよくなかったりする。でもmicroSDは「場所をとらない」「導入が非常に簡単」というメリットがある。500GBを超えると急に価格が跳ね上がるので、もし購入するなら256GBまでにとどめておこう。スイッチのゲーム性能を考えると128GBでもかなりの数のダウンロードソフトが入る。
- まとめ
という感じで、なんとか本体ストレージの規格は勝っていると言った感じで、他の部分では現行のゲーム機に比べると1/2~1/3程度性能が落ちる。だから新作をマルチで出すときにNintendo Switchだけ後発になるソフトが多くなるのねって感じ。
ニンテンドースイッチと他社ゲーム機プロ仕様との比較(ザックリ)
目が痛いが、XboxOneX や PS4Pro なんかとも比較した。
ニンテンドースイッチ | PS4 Pro | Xbox One X | |
希望小売価格(税込) | 32,978円 | 43,978円 | 43,978円 |
解像度 | 1920 x 1080 (携帯時 1280 x 720) |
1920 x 1080 (4K 3860 x 2160) |
1920 x 1080 |
SoC | NVIDIA Tegra X1 (カスタマイズ版) |
AMD製カスタムAPU |
AMD製カスタムAPU |
CPU性能 | 8コア 1.0GHZ |
8コア 2.3GHZ |
8コア 2.1GHZ |
GPU性能 | 0.50TFLOPS (ドッグ挿入時) |
4.20TFLOPS | 6.0TFLOPS |
メモリ性能(規格) 帯域 |
4GB (LPDDR4) 25.6GB/s |
8GB (GDDR5) 218GB/s |
12GB (GDDR5) 326GB/s |
ストレージの規格/容量 | eMMC / 32GB(換装可能) | HDD / 1TB(換装可能) | HDD / 1TB(換装可能) |
プロ仕様と見比べてみるともはや雲泥の差と言ってもいい。
逆に言えばPS4 Pro や Xbox One X は値段に比べて破格の性能を持っていると言える。
ニンテンドースイッチとスマホの比較(ザックリ)

よく「携帯ゲーム機としてみれば優秀」みたいな皮肉の声もあるが Xiaomiの「Mi10」ASUSの「ZenFone 7」「ROG Phone 3」 で搭載される最新CPU「Snapdragon 865」は 1.25TFLOPS と PS4 Slim や Xbox One S に迫る性能をしている。実は記載していないがNintendo Switchはドッグから抜き取るとGPUの性能が若干下がります(約0.30TFLOPS)価格帯は7万円代と高めだがこれをみると携帯ゲーム機としても性能だけでみればかなり危うい。
コスパ悪い。でもゲーム面白いから良い。

こんな感じで他社製品と比べれば間違いなく「コスパ悪い」と言えるニンテンドースイッチなんだけど、それをすべて払拭できる最強の言葉がある。それが「任天堂のゲームが遊べる」ということだ。ぶっちゃけこれだけで良い。
「あつもり」も「ポケモン」も「スーパーマリオ」も「ゼルダの伝説」が発売されているのも、任天堂公式サイトのゲームソフト発売スケジュールから3DSが消え去るという事件があったあの日から、「今後NintendoSwitchでしか任天堂のゲームが発表しないからな!」という任天堂の強い意志を感じ取れる。
「任天堂のゲームが遊べる。だからニンテンドースイッチを買う。」完璧なイエスソーザット話法の完成だ。
あ、スマホでも任天堂のゲーム遊べるやんっていう話はなしな。